キブン

立春朝搾り-酔いどれ譚十五杯目


これは、以前にもこのコラムに登場し日本酒×高校野球という常人離れした企画を立ち上げた友人の整体師でもある遠藤さんが飲ませてくれたお酒であり、僕の日本酒への興味を開眼させた記念すべきお酒です。ちょうどコラムがこのことから手帳に掲載される時期が立春に近いこともあり、まだ知らない人にも知っている方にも紹介したくなりました。

杜氏泣かせのお酒

立春朝搾りとは
立春の2月4日未明に搾りあがったばかりの日本酒を、その日のうちに出荷する取り組み。日本名門酒会の企画により、1998年より毎年実施されている。立春朝搾りに参加した酒蔵から出荷され、同会加盟の酒販店でのみ限定販売されるのだそう。

搾り上がりが2月4日と決まっている立春朝搾りは、できあがりが早すぎたり遅くなったりしないいように、完璧な管理と微妙な調整が必要で、「大吟醸より神経を使う」という杜氏さん泣かせのお酒なのです。

蔵元の近郊の酒屋さんは早朝から自ら蔵に足を運んで、瓶詰めや出荷の作業をお手伝い。注文分のお酒を直接蔵から運び出します。

簡単に言うと、「その日の朝にとれた新鮮なお酒を瓶に詰め、数量限定で販売しますよー」、ということです。

これがね、すごくおいしいんです。ほんとに。

それまで熱燗での失敗(また機会があれば書きますが)もあり、日本酒は僕の目には凶器として映っていました。

一升瓶で鬼がフルスイングで僕の頭をぶったたいてくる。そんなイメージです。

だから、その遠藤さんが開いた「立春朝搾りを飲み比べよう会」に参加した僕はまだ好奇心半分、恐怖半分でした。

立春がなんぼのもんじゃい、二日酔いなっちゃうよーと情緒不安定でした。

その結果、

「うんま~い。」

目を見開いて言ってしまいました。

飲める飲める。持ち寄りのおつまみも日本酒に合うものが絶妙にチョイスされ、またぐびぐびと飲んでしまう。なによりお

酒そのものがうまい。あっという間に10人ほどで3種類の立春朝搾り1升瓶たちが空になる。

まさに、人生が変わった瞬間でした。

もちろん、日本酒好きの方には賛否両論あると思います

しかし僕にとっては人生が変わった瞬間でした。

こういう今まで知らなかった扉が開いたり、価値観が塗り替えられた瞬間というのは何ものにも代えがたい感動がありますね。
自分では何もしてないのに妙な達成感があったり、もっと早く知っとけば!とか思っちゃったりしてしまいますが、その時その人との出会いが思わぬところで自分の人生に影響してくることを考えると、すべては必然なんだと妙に宗教チックになったりします。

京都では、月の桂と酒呑童子、近隣の奈良では春鹿があります。どれも美味しいです。

いろんな酒蔵のものと比べながらとか、普段飲んでいるものと比べたりすると、ひとしお盛り上がります。

知る人ぞ知るこの一年に一回しか飲めないお酒。

もちろん僕は今年も遠藤家のリビングへマフラーを巻いて出かけます。

“column:福田管”

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