キブン

僕の上司その2-酔いどれ譚十四杯目

前回酔っ払うと、とんでもない事をする上司の話をした。そう、酔っ払ってコインパーキングで額から血を流す上司である。
せっかくなので、この上司の酒席におけるとんでもない話をもう少し紹介しようと思う。
会社のあるクラブ合宿での出来事である。
日中は練習、夕食は宿でビールを飲みながらガヤガヤ。そして、みんなで大浴場に入り一日の疲れを癒す。本当は、このまま部屋に帰って朝まで寝たいところだが、そうはいかないのが会社というものである。

そう、若手の部屋で部屋飲みである。
みんな疲れがピークで、危険な香りがプンプンするのである。

会は和やかに始まったが酒量が増えていくにつれ、皆の声は大きくなり、荒くなった。
若手の一発芸やら一気飲み(みんなやめましょう)が始まる。
と、その時、僕は左足のスネに違和感を覚えた。酔っ払っていて感覚が多少麻痺しているが、何かくすぐったい。気のせいか、ん?なんかやっぱりくすぐったい!我慢できず左足を見てみると「あるものが、ない!」
そういつも繁々と存在する僕の愛しき「スネ毛」がないのである!
なんと、隣に座っていた上司が部屋にあったカミソリをいつの間にか開封し、人様のスネ毛を剃っていたのである。しかも、中途半端な量ではない、ほぼほぼツルツルになっている。右足との落差がハンパでない。この夏短パンを履けなくなったのは言うまでもない。
「何やってるんですか!」と僕が言うと、上司は返事をせずに少しニヤけて、畳の上散らばったスネ毛を苔のように寄せ集めて、別の後輩のビールやら焼酎やらに入れ始めていた。ちょうど見つからないくらいの適量を。

そして、皆気づかずにスネ毛カクテルを飲むのである。
次の日の練習のこともよく覚えている。
8月のカンカン照り。みんな歩くだけで汗が吹き出る暑さの中、ボールを追いかけた。約1名を除いて。その1名は部屋で起床時間を無視し、遅れて練習に出てきたと思えば木陰のベンチで眠りだした。
そして、昼食時には元気になり、後輩にビールを買わせ、少しお腹の調子が悪い後輩に、悪いものでも食べたのではないかと、素知らぬふりをするのであった。

《次回、その3に続く

その上司を黙らせた男、感動秘話をお届けします!お楽しみに!》
※この話に登場する上司と部下の間には、強い信頼関係があり、上記のコミュニケーションはその場にいた全員がいたずらとして認識しております。
“column:しょる”

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