キブン

予期せぬ時点での技術の開花-酔いどれ譚十八杯目

僕は小学3年のころからサッカーを始めた。

当時はJリーグが開幕し、サッカーフィーバーが日本を席巻した。

ジーコが開幕戦でハットトリックをきめ、ヴェルディ川崎(現東京ベルディ1969)では、マイヤーがJリーグ初ゴールとなるミドルシュートを叩き込み、きーちゃん(北澤 豪)は長髪をなびかせて中盤を走り回っていた。

月日が流れ23年。今ではJリーグ創設年度から続けてプレーしているのは、そうあの「キングカズ」こと三浦知良だけなのである。

サッカーを始めた理由は今思えば本当に単純で、友達がサッカー少年団に入ったから。それだけだった。

それまでは、どちらかというと公園で野球をする方が多かった。

まだまだ野球の人気が高かったのだ。当時の巨人のメンバーは今でもほとんど言える。駒田は構えが変だし、広島の大野は変な投げ方だし、阪神の弓長は目が細いなあとか小学生ながらに思っていた。

話は逸れたけど、本当にサッカーを始めたのは軽い気持ちだったけど、今では大切なものの一つになっている。

サッカーで知り合った友達はもう20年以上の付き合いになるし、代表戦がある日は基本的に仕事そっちのけで早く帰る。

小学校の頃は、ウイングというポジションがあり、ピッチのサイドをドリブルで駆け上がる選手が重宝された。

中学生の頃は、2トップ主体でボランチからサイドに展開というのが基本スタイル。

高校生以降はポゼッションという言葉が生まれパスをつないでいくスタイルが流行した。

常に進化する戦術の中で、いつの時代も良く言われたことは

「フィールドを広く使え」だった。

ボールを持ったら逆を見ろ、とか、サイドチェンジしろ、と口酸っぱく言われ、それらが本能に刷り込まれていったのだと思う。

だからこそ、

その本能が開花するとき!

そう、【泥酔へたどり着いたとき】僕はフィールドを思う存分広く使う。

道路の右から左まで千鳥足でうろつき回る。

気持ちはふわふわしているのに、

足なんてふらふらなになっているのに、ただ前へ進もうとする意志だけは妙に恐ろしく強い。

路側帯の白線を目印に、

そこをたどるようにまっすぐ歩いているつもりなのだが、あっちへふらふら、こっちへふらふら。

視線は前だけ向いているのだけど、

気が付けば泥酔した僕は、

あの時のきーちゃんのようにフィールドを駆け回っている。

キングカズのように今もプレーし続けている。

column:福田管

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