キブン

上司の飲みの誘いを断ることについての感じ方の変化:酔いどれ譚二杯目

初めて上司の酒を断った日

yoidore03
基本僕はノリは悪くない方だ。
酒も好きだ。
会社の同僚に飲みに誘われたら、基本行く。
ただ、人間なので気分の乗らない時もある。単に気分が乗らない時もあるし、体調の悪い、飲み会の続いた日などはもちろんあんまり行きたくない。
酒は良薬で風邪なんか治るよ!なんて言う人もいるが、それはたぶん嘘だ。
治ったためしはないし、経験上かなりの確率で悪化する。後悔する。
そう、誰だって、飲みに行きたくない日はあるものだ。

僕は入社して2、3年の頃、上司の酒の誘いを初めて断った。今でもよく覚えている。

その上司の誘いは、いわゆる事前通知型ではなく、いつも突発型だ。
以前にも何度か突然の誘いがあり、僕はそれに、
「今日どう?いこか?」
「いいっすね!」と応えていた。
残業が続いたある日、上司は僕に言った。
「今日どう?行こか。」
僕は特に予定はなかったが、何となく飲みに行く気分ではなく、何となく断った。
「ちょい今日はだめなんです。」
「そうか、なんかあるんか?」
「ええちょっと」
「そうか」
その時の上司の作り笑いを今でも覚えている。なんというか、照れ笑いのような。
その時は、なんでこの人の誘いはいっつも突然なんやろう?と思っていた。

そして、いま僕は、その頃の上司の年齢にすごいスピードで近づいている。部下とゆーか、後輩もたくさんできた。
仕事が忙しい時もある。
その忙しさが佳境に向かう時、無性に飲みたくなる。
なんとゆーか、あと一歩だ、がんばろう、ちょい息抜きしよう的な、そんな感じで。
こんな時は、一人飲みは寂しいので、誘いたくなるのだ後輩を。
誘う前、初めて上司の酒を断った日を思い出す。
あ、そうか僕も突発型だな。これが突発型になる理由だわ。今になってようやく上司の気持ちがわかる。
そして、勇気を振り絞って後輩に声をかける。
「今からどう?行こか?」
「えっ?どこに行くのですか??」
時代は確実に変わろうとしている。

(コラム:しょる)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ピックアップ記事

  1. リアル神々の遊び。京都から2時間半、南知多で神話の世界を体感できる「つぶてヶ浦」…
  2. 振り向けば奴がいる-酔いどれ譚二十杯目
  3. 京都を中心とした関西の2016年紅葉プレイバック-京都の穴場も紹介8選
  4. メニューひとつひとつに物語が!どういうことってこういうことです-大阪「UK CA…
  5. 1976年創業。京都『高木珈琲店』のラム酒香るプリンでちょっと休憩

関連記事

  1. キブン

    酒場で繰り返されるべき話:酔いどれ譚六話目

    酒場で繰り返されるべき話だいたい30歳を過ぎると、だんだん定期…

  2. キブン

    予期せぬ時点での技術の開花-酔いどれ譚十八杯目

    僕は小学3年のころからサッカーを始めた。当時はJリーグが開幕し…

  3. キブン

    京都紅葉写真館-嵯峨野「あだし野念仏寺」

    重要伝統的建造物群保存地区に認定されている京都嵯峨野の「嵯峨鳥居本(さ…

  4. キブン

    立春朝搾り-酔いどれ譚十五杯目

    これは、以前にもこのコラムに登場し日本酒×高校野球という常人離れし…

  5. キブン

    みやこつづり-一頁目

    年の瀬になり、大きなイベントも残すところクリスマスだけ。街で繰…

  6. キブン

    京都の今日を知る「きょうは何の日」-12月13日は「事始め」

    毎日が記念日運動があったのかはわからないけれど、とにかく毎日なにかの記…

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

4人の購読者に加わりましょう

  1. タビ・アソビ

    気軽に絶景ハント!20分で心と体のリフレッシュ「大文字山」登山
  2. タベモノ

    居酒屋『よこちょう』で日本酒を片手に鮮魚に舌鼓
  3. コト

    高台寺秋の夜間特別拝観がスタート-ライトアップのテーマは「輪廻」
  4. タビ・アソビ

    夏の終わりはひぐらしの声を聞きながら廃校をリノベーションしたカフェでゆったりと
  5. キブン

    SNSもツイッターも、少しのあいだ忘れていました。一休和尚が過ごした大徳寺「龍源…
PAGE TOP
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。