キブン

酒場で繰り返されるべき話:酔いどれ譚六話目

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酒場で繰り返されるべき話

だいたい30歳を過ぎると、だんだん定期的に飲みに行くメンバーが決まってくる。
気づけばあいつらとはだいたい毎月行ってる、別のあいつらとは3ヶ月毎に行ってる、どこぞの彼らとは年末に一度絶対飲みに行くなど。そして、それらのメンバーはだいたい皆男である。
そう、よく考えると回数は違えども同じメンバーで何回も何回も飲みに行ってるのである。
よく、「同じメンバーでそんな飲みに行って話すことあるの?」と聞かれる。この質問をするのは圧倒的に女性が多い。
そして、私は決まって言う、「ある。」と。

そして、興味があるのかないのかよくわからない声で「何の話をしてるの?」とだいたい聞いてくる。僕はとてつもなく面倒臭くなって、「ウンコを漏らした話とか。」と言う。そこでだいたいの人は「あ、そう。」と言ってそれ以上何も聞いてこない。

30過ぎたおっさんがウンコの話などと言っていては当然モテない。

実は、汚いお話になるのだが、ウンコを漏らした話は、本当によく飲みに行った時にする。高校3年生の通学中に漏らした話で、腹痛の静と動を繰り返しながら、なんとか鳥肌を立てながらも辿り着いた校門から一番近い職員トイレ。そこで、制服のズボンを下ろしたところで、油断したのか我慢できずに、モリモリモリとやってしまい、咄嗟にトランクスを抑え、漏らしてしまったとんでもない量のウンコでトランクスが風船みたいに膨れ上がった話。

そして、その風船トランクスをゴミ箱に捨て、やけに冷静に今日の時間割りに体育の無いことを確認し、1日ノーパンで過ごしたという、文章にすると、面白くもなんともない話。

こんな話が酒場では効いてくる。俺も漏らしたことあるよ、いや俺だってという感じで話は膨れ上がる。また、定期的に同じメンバーで同じ話をして、盛り上がる。みんなオチも知ってるし、何回も聞いた話であるのに。

こんな風に例えは汚いが、酒場には繰り返される話が存在する。僕はこんな話こそがホンモノであると思う。きっと自分が死ぬ前に大事な家族のことを一通り考えたあとに、友達の事を思い出したら、この話を思い出し、笑って死んで行くのだと思う。

よく飲みの席で、仕事の説教などを長々とする人がいる。僕はそれがあまり好きではない。酒場には相応しくないし、少なくとも僕は望まないし、そんな人と次も飲みに行きたいとは思わない。そうだ、「好きよ」「僕もだよ」なんて、イチャイチャ酒場でしてる男女も一緒だ。(したことないから少し羨ましい。)そんな真面目な話こそシラフでするべきだと思う。

きっと酒場には酒場に相応しい話があり、繰り返される他愛もない話こそきっと酒場に相応しい話であり、今後も語り継がれるべきだと考える。

“Column:しょる”

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