撮影で、色んな場所に行きます。例えば、深夜二時から始まるお祭り、例えば綾部、例えば長岡京にひっそりと隠れるようにしてある名刹。そういうところは人は少ないです。日本人も少なくおそらく地元だと思われる方、お寺であれば、ご利益を求めて来られる方。でも、なぜか海外の方が、日本人でもあまり来ないような場所にいるんです。不思議に思ったので、いく先々で観察した結果報告を。
実際なにを見て来ているのか
これは一番気になったのですが、圧倒的にスマホを見ておられます。ある方は日本語ができる方なのでしょう日本語のブログのようなページを、ある方は外国語のページを、そして動画を見ている人。動画ですよ動画。言葉が分からなくとも、なんとなく言っている事が想像できるし、書き手の感情に惑わされない。実際、「京都観光 動画」で検索すると、きちんと編集されたものから、そのままアップされたような心霊系のものまで、めちゃくちゃヒットします。その数約19万件。ちなみに「kyoto sightseeing spots」の動画検索結果も7,760件。
心霊スポットはざっと見た感じ有名無名問わず、ほとんどアップされています。観光もお寺に絞ると、市内の90%くらい出ているはず。これか、と。海外の人、これ見てるのか、と。あとは海外で発売されているであろう、分厚い観光本もありますが、これは北欧系の人が多かったです。アジア系の方はスマホが多いように思います。ただ、もしかすると、SNSから写真を見て、気になったところを検索しているのかもしれません。google+で写真をアップしていると、なぜか外国の方からメッセージがくることがありましたので。
好奇心がすごい
付け加えて、好奇心の強さ。開拓者精神なのでしょうね、日本人だったら足を踏み入れるのを躊躇うような路地でもぐいぐい行きます。町家っぽいところで看板が出ていると、とにかく確かめる。そこがショップで、気に入ったものがあったら買う。工芸品はもちろんですが、変な日本語のTシャツでも買っちゃいます。情報は情報として処理して、流行りとかに流されず自分の価値観で「これがいい」と感じたら、行くし、買うんですね。これは見習いたい。
ただ好奇心が強くて、側からみているとハラハラすることもあります。おそらくカップルだと思われる白人2人が、あるお店の前で興味津々で立ち止まっていました。男性がずっと「●ック キョウト」と連呼しています。
ここはなんだ、と。「●ック キョウト」めちゃくちゃ興味あるぞ、ここ、いったいなんだ。と言っていたんだと思います。そして、女性が小さく書かれた文字を見て「ファ、ファッションヘルス?」。和製英語ですから、わからないんですね。やはりこういう場面では男性がなんとなく感づくみたいで、まだ興味津々の女性に対して。
「あぁ、ここ多分違う。その…違うお店だよ」と、切り出すんです。それでも外国の方は「違うってなに?面白そうじゃない」ってなるんですね。そのやりとりを経て「その…たぶん女性が男性をもてなす、マッサージのお店だよ」みたいな事をいって、「ワオっ。オマイガー」。苦笑してそそくさと次に向かっておられました。
さすがに、ふたりで入ろうとしたら、止めようと思ったのですが、たぶんこのお店に間違えて入ってる旅行者はいるはずです。間違えそうな方を見たら、ぜひ止めてあげてください。
“column:中川 直幸”