「烏丸」や「糺ノ森」などの読み方は、他府県の人からするとちょっと難しいけれど、京都人からすれば簡単。だけれど、京都人でも地元の人じゃないと読めないような地名はまだまだあります。今回は難読エリエをクイズ形式で紹介。
初級編
1.中京区 壬生
2.左京区 糺ノ森
3.久御山町 巨椋
4.宇治市 黄檗
5.向日市 物集女
中級編
1.中京区 先斗町
2.中京区 東椹木町
3.伏見区 直違橋
4.伏見区 羽束師
5.木津町 相楽
上級編
1.上京区 正親町
2.左京区 雲母坂
3.右京区 化野
4.丹後町 間人
5.大宮町 周枳
解答
初級編
1.中京区 壬生 みぶ
由来:かつて湿地帯だったことから、水辺の意味をもつ「壬生」になっというのが有力
2.左京区 糺ノ森 ただすのもり
由来:世界遺産の下鴨神社の境内にある原生林。由来は「偽りをただす」、鴨川と高野川の合流点から「只洲」、など諸説あり。
3.久御山町 巨椋 おぐら
由来:かつてあった「巨椋池」から
4.宇治市 黄檗 おうばく
由来:黄檗宗の本山萬福寺があることから、というのが最有力。
5.向日市 物集女 もずめ
由来:かつて勢力を誇った物集女氏がいたというのが有力。語源は河内国大鳥郡の百舌鳥(もず)で勢力をもっていた一族が移り住んで変化したなど諸説あり。
中級編
1.中京区 先斗町 ぽんとちょう
由来:ポルトガル語で「先」を意味する「PONTA」から、鴨川と高瀬川に挟まれた場所を、皮が二枚張られた鼓に見立て「ポン」と音がなることからなど、諸説あり。
2.中京区 東椹木町 ひがしさわらぎちょう
由来:サワラを扱う材木店があったというのが有力。
3.伏見区 直違橋 すじかいばし
由来:川に対して斜めに架けられた橋の名前から、というのが有力。
4.伏見区 羽束師 はづかし
由来:この地域で取れた粘土(ハニ)を水の中で「かす(粘土をこねて形にすること)」ことを仕事にしていた人が多かった、というのが有力。
5.木津町 相楽 さがなか
由来:この場所で有力者の娘が木に首をつって死のうとしたことから、というのが有力。「懸木(さがりき)」というのが鈍って「さがなか」へ。
上級編
1.上京区 正親町 おうぎちょう
由来:皇族の名籍をつかさどる役所「正親司(おおきみのつかさ)」の下級役人などの宿所があったというのが有力。
2.左京区 雲母坂 きららざか
由来:花崗岩の砕けた地質であり、土砂中に雲母が含まれていることというのが有力。都から見たときの夕雲が、ここから生じ覆うようにみえたことから「雲」の「母」という説もあり。
3.右京区 化野 あだしの
由来:かつて死体を野ざらしにしていた場所。「あだし」には「生」が「死」に化すという意味があるとか。
4.丹後町 間人 たいざ
由来:所縁のある穴穂部間人皇女(あなほべのはしひとのひめみこ)が、この地に自分の名を与えたが、市民が名前を呼ぶのを恐れ多いと感じ、皇后が退座(たいざ)した事に因んで「間人」をたいざと呼んだそう。
5.大宮町 周枳 すき
由来:大嘗際に献ずる神穀の一つ、主基(すき)というのが有力。
いくつできたでしょうか?
由来までわかった人は、京都検定に合格できるかも。ぜひぜひトライしてみてください。
“Text,Photo:中川 直幸”