関西を代表するカフェギャラリー『くるみの木』のオーナー石村さんが、総合プロデュースを手掛けた複合施設『鹿の舟』。奈良の観光案内を目的とした『繭』、奈良の食材を中心とした料理と、薪をくべて炊く竃のご飯が味わえる和食の『竃』、そしてランチも楽しめるカフェ『囀』の3店舗があり、どれも奈良の食や風土、伝統の生活文化に触れられる。今回は奈良観光の足休めの際におすすめの『囀』のスイーツをご紹介。
植村牧場の牛乳と大和の卵を使ったシンプルなハード系プリン
関西だけでなく、日本中にファンがいるカフェ『くるみの木』の石村さんが総合プロデュースしただけあり、『鹿の舟』は、奈良の自然と伝統文化を活かした空間作りがされている。3店舗の中心にあるのは、なんと畑。田んぼまである。
ちょうど米の収穫期だったことから、田んぼでは見事に実った稲が、こんにちは、をしてくれていました。カフェスペース『囀』の店内から、この畑を眺めながら食事ができ、街なかにありながら、自然を感じられる、ほっとする空間となっています。
こちらのスイーツは季節のフルーツを使ったタルトなどが人気ですが、プリン愛好家の私は、断然プリン押し。
使用している牛乳は、映画化もされ関西でも有名な植村牧場の牛乳。近隣の農家から仕入れた野菜で育つ、植村牧場の牛から採れる乳は毎日味が違うとか。決められた種類の飼料だけではなく、多彩な食事と、しっかり運動することで、牛も元気になり健康で良質な乳になるそう。
卵は魚油を飼料に混ぜ、コクが増した大和なでしこ卵を使用。そんな卵と牛乳を使ったプリンはシンプルなハード系プリン。素材の旨みと甘みを活かすため、市販のプリンに比べると甘さは控えめですが、溶けるような口当たりの中に、甘みはしっかり感じられます。ハード系ですが、寒天みたいな感じではなく、レアチーズケーキをちょっと硬くしたような、しっとりとした滑らかな硬さ。この絶妙な口当たりは、なかなか味わったことがなく、ひと口でファンになりました。

大和なでしこ卵プリン 650円(税抜)
季節のフルーツ巨峰のクラフティ
味は季節ごとに違うけれど、『くるみの木』でも、定番としてファンを喜ばせてくれる、季節シリーズ。秋は食べごろの巨峰をフランスの伝統菓子「クラフティ」で。タルトの上には、でっかい巨峰がごろごろ。焼くことで巨峰の甘みが増すそう。生地には甘さ控えめのカスタードがたっぷり。サクッとしたタルトと、しっとりとした生地のコントラストある食感が小気味良く、食を楽しませてくれます。まろやかな甘さで、上品な味わいのスイーツはぜひ、季節ごとに味わいたい。

巨峰のクラフティ 500円(税抜)
ショップデータ
鹿の舟 囀(さえずり)
■電話:0742-94-9700
■住所:奈良県奈良市井上町11
■営業時間:8:00-18:00
■定休日:水曜休
■駐車場:なし※隣に有料駐車場あり
■HP:http://www.kuruminoki.co.jp/shikanofune/saezuri/
“Text:Taico,Photo:中川 直幸”