タビ・アソビ

高さ、これ大丈夫か度、えっまだ半分しかいってないの感、スリルを感じるすべての要素が関西最高クラスの「谷瀬の吊橋」

関西在住のスリル好物系人類は、一度は行っておかないと「えっ、行ったことないの」と、ちょっと憐れみの表情を浮かべられる有名な絶景、絶叫スポット「谷瀬の吊橋」。京都市内から車で3時間超の奈良県十津川村にあるこちらの吊橋は、週末ともなれば一日数百人が訪れる観光地ですが、ここ生活用の吊橋です。現地の人は、自転車で渡ったりするそうです。慣れってすごい。

とりあえず紅葉の季節到来で美しいけどスリルましまし時季に突入

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とりあえず、概要を。長さが297メートルで高さは54メートル。数字だけを見るとそんなに恐がる必要はなさそうです。15階建てビル相当くらいですから。でもですよ、床というか、下の板がパッと見てわかるほど、年季が入っているんです。私の前にいた管理者の方でしょうか、急に腰をかがめて修理を始められます。板と板は、鉄線みたいなもので縛られて繋がっているだけなんですね。管理者の方、外すんですよ。ひょいと。もちろん板の下には太い板がちゃんとあるんですよ、等間隔で。ただ、私含め、写真で足しか見えていないこの方々も、一瞬足の動きが止まりましたね。「えっ」てなって。「結構簡単に外れるんですね」てなって。

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このポイントが本当に恐い

足元の老朽化が気になる橋ですが、当然、揺れます。本当なら手すりとか掴みたいんですが、それも恐いんです。床の真ん中に歩行用の板があって、その横は谷底が見える網なんですね。この網部分の絶妙な幅が、体の横のロープ部分を持とうとするのを遮るんです。もちろんロープは掴むことはできます。でも網の上を歩きたくないから、手を伸ばすんですよ。そうするとちょっと網の方に体を傾けないといけなくなってしまうので、歩き辛いんです。それが恐いんです。

ずっと「綱切れるんじゃないか」「床抜けませんか」がつきまとってくるので、半分のところに到達しても「うそでしょ、まだ半分ある」みたな感じで到達感はなし。渡り切ったとしても、帰りもこの橋を渡るので、行くも地獄、引き返すも地獄です。この道を行けばどうなるものか、ひたすら恐いだけです。

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でも、一番恐いのはそんなところではないです。渡る前に、管理員に言われたんです「一度に20人しか橋は渡れないよ」。看板にも書いてます。危ないので20人以上は一度に渡らないで、みたいな文句が。

でも、きちんと数えてないのですが、ぎりぎり超えていないくらいの人が渡っているんじゃないかと。あれ、錯覚かな、いや錯覚じゃないよ、本当だよ。

危険かもしれない、と注意書きされていることが目の前で起こっているかもしれないこの事実が一番恐いです。でも、基本的には20人くらいしか渡っていないので、ご安心を。

本当のスリルは安全圏を超えたところにある。赤く染まった山の絶景と、絶叫を求めて観光客が多くなるこの時季は、吊橋のスリルを満喫できるベストシーズンかも。絶景を眺めていたら、恐さもなくなるかもしれません。橋のたもとにある、地元グルメにも注目を。

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谷瀬の吊橋(たにぜのつりばし)
絶景と絶叫を楽しめる度 ★★★★★
■住所:奈良県吉野郡十津川村谷瀬
■駐車場:有料

“Text:Taico,Photo:中川 直幸”



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