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日本一大きな鳥居は平安神宮ではなく、神が舞い降りた地「大斎原」の大鳥居

京都の街なかでひと際目立つ平安神宮の大鳥居。てっきりあの鳥居が日本一大きな鳥居だと思っていたのだけれど、それは昭和57年までだったとか。次に日本一になったのが、新潟「弥彦神社」の大鳥居。このふたつの大鳥居はどちらも街なかにあるけれど、現在日本一の大きさを誇る「大斎原(おおゆのはら)」鳥居は和歌山県の山の中。京都市内からだと車で4時間ほどかかり、もちろん電車でのアクセスはなし。ただ、強力なパワースポットらしく、バスツアーも組まれ、週末には多くの人が訪れるそう。

日本一の大鳥居は強力なパワースポット

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「大斎原」はこんなところ。

京都から奈良を突っ切り、ぐねぐねの山道の先にたどり着いた「大斎原」。鳥居は田んぼのど真ん中に高々とそびえるように立っており、ちょっと異様な雰囲気が漂う。熊野川・音無川・岩田川の合流点の中洲に位置し、江戸時代まで橋はかけられておらず、ざぶざぶと川を渡って参拝したことから「濡藁沓(ぬれわらうつ)の入堂」と呼ばれていたそう。

ここは神が降り立った地と言われており、古来から神聖な場所だったとか。平安時代になると、「浄土への入口」とされ、行って帰ってくることは死と再生を意味し「よみがえりの聖地」と呼ばれたという。相当な信仰を集めていたようで、皇族や貴族が、わざわざ京都から足を運んでおり、室町時代には武士や庶民ですら訪れたのだとか。

力が湧き出す場所
風水的にもパワーが集まり湧き出す場所だそうで、近年の人気は主にそれ。スピリチュアルな人は、鳥居をくぐった先にある森の奥から神聖なものを感じるという。

「大斎原」は昭和22年の大洪水で壊滅し、「熊野本宮大社」は500メートルほど離れ場所に。現在「大斎原」には中四社、下四社、境内摂末社の神々が祀られているそう。

八咫烏(やたがらす)がシンボル
日本書紀・古事記の「神武東征」という物語に登場する神の遣いの「八咫烏」。神武天皇が熊野に到着された時、奈良までの道を案内をしたというエピソードから、「導きの神鳥」とされ、サッカー日本代表でもシンボルになったのだとか。

などなど、パワースポットとして、歴史やエピソードも充実した「大斎原」。最近うまくいってないなと感じたら、週末に和歌山まで足を伸ばして神聖な力を感じてみて。長時間のドライブなので、気分転換にもおすすめ。

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大斎原
神聖な力を感じられる度 ★★★★★
住所:和歌山県田辺市本宮町本宮
駐車場:あり(無料)

“Text,Photo:中川  直幸”

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