滋賀県の南東部、京都市内から1時間ちょっとの信楽エリア。信楽といえば、たぬきのイメージが強いけれど、朝宮茶やカフェなど、知られざる伝統文化や最先端のアプローチで時代をリードするスポットがどんどん増えている。その中で信楽のランドマークのような存在が、登り窯とカフェ、ギャラリーなどが併設された『Ogama(おおがま)』だ。
信楽の原風景を体感できるほっこり空間
信楽の原風景が楽しめる窯元散策路の中で、ひと際目立つのがろくろ坂を登ったところにある登り窯。以前は100以上の登り窯が見られた信楽も、時代の変遷とともに現在では数えるほどになったそう。そんな「貴重な産業遺産を守り、後世に伝え、新しい歴史を作っていく」目的で2010年に『明山窯』と滋賀県立大学の学生が一緒になり作られたのが『Ogama』だ。
土で固められた巨大な登り窯。9つある部屋とその周辺は見学することができ、信楽の歴史と産業構造、先人たちの考えを身近に感じられる。だれもが気軽に現在の伝統文化のカタチに触れて欲しいとの思いから、「ひとつづり」という作家やショップなどを紹介するギャラリーイベントを開催しており、内容の面白さに何度も足を運ぶ人も多いとか。
また、併設されたカフェでは、1600年頃から続く『明山窯』の陶器でコーヒーや紅茶を味わえる。昔から使っている食器のように、しっくり手になじむあたたかみのあるデザインが印象的。
こちらでは信楽名産の「朝宮茶」の紅茶も人気。すっきりとた香りと上品なコクを感じる一杯は、散策中のひと休みにぴったり。登り窯を見つめながら視覚と味覚で、信楽の魅力を満喫しよう。

信楽町朝宮の紅茶300円
窯元ならではの陶器の手作り体験
こちらでは生活に寄り添うものづくりをテーマに『明山窯』の作陶体験ができる。喧騒を忘れ四季を感じられる静かな環境、経験豊富なスタッフによる丁寧な指導による仕上がりに、初めての人でも大満足だとか。手びねりやタタラといった土から形を作っていくコースから、スタッフ制作のカップに釉絵付けするコース、土の板に手形を押しメッセージをいれられるコースなど3つを用意。その他、小学生以下を対象とした子どもの体験無料プロジェクトなどもあるので、家族で足を運んだ際は、ぜひ体験してみて。事前予約必須なので、予約要項を確認してオフィシャルHPから申し込みを。
この秋は家族や、友人たちと一緒に、信楽の魅力を五感で体感しよう。
ショップデータ
Ogama
■住所:滋賀県甲賀市信楽町長野947
■電話:0748-82-8066
■営業時間:11:00〜17:00
■定休日:平日の火〜木曜休※祝日の場合は営業
■駐車場:有り(8台)
■HP:http://www.meizan.info/ogama/(Ogama)
■HP:http://www.meizan.info/(明山窯)
■オンラインショップ:http://www.meizan.co.jp/
“Plan,Coverage:Jumbo、Text,Photo:中川 直幸”