そこに山があると登りたくなるように、そこに雪があると、より高く積もっている場所に行きたくなるこの頃。もちろんスキーやスノーボードなどのウインタースポーツをするわけではなく、単純に写真を撮りたい、その一心。美山のかやぶきの里に行ってからというもの白銀の風景に魅せられ、雪が降るたびにチェーンを巻いて山を攻めているのですが、何度行っても圧倒されてしまいます。今回は、大雪に見舞われた雪化粧の熊川宿を紹介。
めっちゃ積もってる
滋賀県の高島から福井県に向け山道を進むと、県境付近に1.5mほどの雪の壁が出現。除雪車が積み上げたであろう雪の山は、プチ富山の「雪の大谷」みたいでちょっぴりテンションが上がります。ここまでくるとスノータイヤでもスリップしてしまう場所もあるので危険なのですが、ぬくぬくとした車内から吹雪の外界を眺めるのは、雨音を聞きながらふかふかのベッドで眠りにつくのと同じくらいの感覚が楽しめます。
独り占めしている感覚がたまらない

屋根に1mほど雪が積もった熊川宿の雪景色
さて、くねくねとした雪道を1時間ほど進むと、目的の熊川宿に着きます。観光地としての熊川宿は春から秋にかけて賑わうイメージですが、おすすめは大雪の時。
なにがいいって、ここまでの道のりが危険すぎるからなのか車はほぼ通っておらず、観光客も数人。そりゃそうですよ。行ったところで店はしまっているし、神社などの観光名所も雪で入れない、唯一開いていたお店は道の駅。
人気のサバサンドの店も、雪が積もりすぎて駐車場にすら入れない。というかお店の人も、オープンさせるのを諦めたっぽい。来たら一日中雪かきをして終わるのではないかと思うくらい積もっているので、来てすらいない可能性がある。
そんな状況ですから周りはシンと静まり返り、真っ白の世界を独り占めしている気分が味わえるんです。大雪の熊川宿の魅力は、それのみ。もう言い切ります。それのみ。
古い街並みに、屋根に積もった雪は危ない。見てわかりますよ。1mくらい積もってますから、これが落ちて来たら埋まります。
でもやっぱり絵になります。赤いポストに雪が積もっているだけで、絵葉書にできそうですし、特に「宿場館」という資料館はトスカーナ風の建築で淡いブルーの外観にどっさり雪ですよ。
タイヤチェーンがないとちょっと危険ですが、人もおらず、思う存分撮影ができるので、絶景ハンターの方にもおすすめ。
熊川宿
住所:福井県三方上中郡若狭町熊川