タビ・アソビ

京都美山のかやぶきの里は日の入り前後の30分が絶景タイム

世間の喧騒を忘れ、茅葺民家の集落でゆったりした時間を過ごせる、言わずと知れた京都の人気観光地美山。こちらは、もうどこを切り取っても画になるような場所で、地域主催の写真コンテストが年に何度か開催されている。そんな美山で写真を撮るなら、この時間だと幻想的な瞬間が撮れるという時間がある。

17時を過ぎると、ほぼ村の人しかいなくなる絶景タイムが訪れる

img_9797%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%92%e3%82%9a%e3%83%bc%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%92%e3%82%9a%e3%83%bc

9月下旬。絶景スポットかやぶきの里美山の本領が発揮される。「そばの花」が畑いち面に咲き誇り、白い花と緑の森、茶色の茅葺の民家のコントラストがなんとも言えない哀愁を誘うのだ。

白い花が風にゆらりゆらりと揺れるその風景は「のどか」のひと言に尽きる。このタイミングで写真を撮るなら、もうバチっと花の方にピントを合わせて、民家がボケるくらいの写真を撮ることをおすすめする。村の全景をおさめようとせず、思い切り「のどか」をイメージさせる花のアップで決めていただきたい。

が、しかし、その写真はこの時季ほぼ誰もが撮影しており、あまり珍しくない。だったら時季は関係ないけれど、太陽が沈む前後に訪れて欲しい。9月下旬だと、17時くらい。店も閉まり、村から観光客が消えていき、残るのは写真好きの私たちみたいな人だけ。この時間の写真が少ないのには、やはりアクセスの悪さと、暗くなったら本当に帰りの山道が怖いから。街灯の少なさよ、人の少なさよ。慣れているのかしらないけれど、走っている車のスピードの速さよ。車のスピードは怖いから早く帰りたい、という気持ちの表れかもしれない。

ただ絶景を撮影するためなら多少のことには目を瞑るべき。17時から三脚を立ててスタンバイ。絶景タイムが訪れるのは日没前後の20~30分。この瞬間を逃し、完全に陽が沈むと、暗すぎてただ暗闇を写しているだけになってしまい、なにをしに来たのかわからなくなるので要注意を!

昼の風景も紹介

img_9755%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%92%e3%82%9a%e3%83%bc

img_9664%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%92%e3%82%9a%e3%83%bc img_9697

昼間ももちろん美しい。蕎麦の花の写真はもっと花に寄った方が綺麗に写る。神社の雰囲気もさびが効いていて渋い写真に仕上がるので散策ついでに抑えるのもいいかも。民家には色んな花が植えられていて、9月下旬でも彩り豊かで、フォトジェニックなシーンが満載だ。

またカメラ中級者は、山の上の鉄塔からパシャリといくそう。この鉄塔までの道のりは驚くほど険しいらしい。獣除けの柵を開けて、獣道のようなところを30分かけて登らなければいけないので、しっかりした山登りの装備をしていくことをおすすめしたい。ちょっと注意が必要なのは、展望台とは別の場所なのでお間違えないように。展望台も、獣害を避けるためにそこら中に張り巡らされている柵の向こう側にあるのだけれど、それは村のすぐ横にあってそれではない。山の鉄塔からの撮影は、300ミリくらいの望遠レンズは必須。

上級者は、その山の鉄塔に、雪が積もっている冬に登るという。というか、店で見せてもらった写真に驚いた。え、雪積もってるよ?しかも夜に?もうカメラの変態さんとしか考えられない。正気の沙汰じゃない。実際に鉄塔までの道を見てみると、確実に登る気が失せる。道?どこそれ?のレベルだ。まさに命をかけて登る気がないと撮れない絶景なので、カメラ好きの人はこの冬に挑戦してみるのもいいかもしれない。

エリアデータ
美山 かやぶきの里
民家の明かりが幻想的な絶景度(秋) ★★★★
住所:京都府南丹市美山町北
電話:0771-77-0660(かやぶきの里)
駐車場:有

“Text,Photo:中川 直幸”



  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ピックアップ記事

  1. ハロウィンで盛り上がったのだから「矢田寺」の「かぼちゃ供養」へ行くべき
  2. 気軽に絶景ハント!20分で心と体のリフレッシュ「大文字山」登山
  3. 初めての十日えびす大祭(初ゑびす)を楽しもう「京都ゑびす神社」
  4. 鬼の声が聞こえる?京都の絶景「立岩」で神秘体験に耳を傾けて
  5. 居酒屋『よこちょう』で日本酒を片手に鮮魚に舌鼓

関連記事

  1. タビ・アソビ

    京都から車と船で約3時間、週末は離島で心と体を癒そう

    京都から車でおよそ3時間。愛知県知多(ちた)半島の三河湾に浮かぶ日間賀…

  2. タビ・アソビ

    京都観光に来た友人を連れて行きたい穴場の黄葉スポット「岩戸落葉神社」

    寺院の特別拝観も始まり、紅葉のピークを迎えた京都市内は、昼夜を問わず観…

  3. タビ・アソビ

    ウユニ塩湖のような一面も-「広沢池」の紅葉が見頃に

    鏡のように空を写すボリビアの絶景「ウユニ塩湖」。地球の反対まではなかな…

  4. タビ・アソビ

    京都市内から車で1時間ほど、見頃を迎えた上桂川のもみじの土手を歩こう

    流域によって呼び名を変える淀川水系の一級河川「桂川」。観光客で賑わう嵐…

  5. タビ・アソビ

    京都の夜景スポット「男山展望台」は人が全然いないので、たまに人に会うと非常に恐い

    国宝「石清水八幡宮」境内にある「男山展望台」は、密かな夜景観測スポ…

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

4人の購読者に加わりましょう

  1. タベモノ

    どうしてもスープカレーが食べたくなったので京都円町の「かれー屋ひろし」へ
  2. タビ・アソビ

    西日本最大と言われる蛍鑑賞スポット亀岡西別院町犬甘野
  3. キブン

    目指せ国産ワイン通-ワイナリーの楽しみ方「天橋立ワイナリー」
  4. タベモノ

    京都のおすすめ異国グルメ
  5. タビ・アソビ

    2016紅葉プライバック-「南禅寺」~インクライン
PAGE TOP
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。