流域によって呼び名を変える淀川水系の一級河川「桂川」。観光客で賑わう嵐山では渡月橋を境に、下流を「桂川」、上流を「大堰川」と呼び、少し上がって亀岡までを「保津川」と呼んでいるそう。それより上流の「桂川(園部近辺)」「上桂川」へは、電車網も行き届いておらず、車やバイクでのアクセスが主体になるゆえ観光客は激減。京北町の「上桂川」では、ツーリングを楽しむ人と、キャンプやバーベキューを楽しむ家族連れがちらほら見える程度。だけれど、自然豊かなこの場所には、秋が深まると土手に一定間隔でもみじが並ぶ穴場絶景ポイントが現れるそう。
200から300メートルほど続くフォトジェニックな朱色の堤
京都市内から車で1時間ほどの栃本エリア。観光客で賑わう嵐山、高雄を抜けると驚くほど人が少なくなる。心なしか空気も澄んだように感じる山道は、サイクリングやツーリングを楽しむ人も多い。家族とのレジャーや友人との日帰り旅行で、道の駅の「ウッディー京北」や、複合施設の「スプリングひよし」を訪れる人は多いけれど、その途中にある川沿いを足を停めて見る人は少ないのでは。
整備された国道沿いを並走するように流れる「上桂川」に顔を向けると、見頃を迎えたもみじが、土手を朱色に彩っている景色が目に飛び込んで来る。200から300メートルほど続くもみじの堤(つつみ)は歩くこともでき、近くに車を停めて、長時間ドライブの気分転換に歩くと運転の疲れを癒してくれるはず。
秋はもみじ、春は桜
この場所は、土手に桜が、そこから一段低くなったところにもみじが植えられている。秋は川沿いが赤く染まり、春には桜が土手を埋め尽くし、真っ白の景色が楽しめるそう。絶景を独り占めできる快感は、郊外の穴場絶景ならでは。秋と春の週末の予定に、ぜひひとつ追加してみて。
栃本の堤のもみじ
絶景を独り占めできる度 ★★★★★
住所:京都府京都市右京区京北栃本町
“Text:Taico,Photo:中川 直幸”