タビ・アソビ

奈良十津川村、断崖絶壁から絶景をのぞむカフェ「瀞(どろ)ホテル」に圧倒される

和歌山、三重、奈良の三県をまたいで流れる熊野川水系北山川の上流に位置する「瀞峡(どろきょう)」。上流から、奥瀞、上瀞、下瀞と呼ばれ、特に「瀞八丁」と言われる下瀞は、巨岩、奇岩、断崖が続く圧倒的な渓谷美から、名勝と讃えられているとか。その「瀞八丁」の景色に溶け込むように断崖絶壁の上に建ち、絶景を見ながら食事をできるのが「瀞(どろ)ホテル」。

荒々しい岩と穏やかな川の流れのコントラストが織りなす不思議な絶景

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いろいろとすごいところがあるこのカフェですが(正しくは食堂・喫茶のようです。ここではカフェと表記します)、まずこの不思議な景色です。ごつごつとした巨大な岩、巨人によってえぐり取られたような断崖、荒々しい自然の造形美に対して、流れる川のなんとも静かなこと。深いエメラルドグリーンは、ヨーロッパの山奥のを雄大に流れる川のようで、見ていると心が落ち着きます。「瀞ホテル」は川面から15mほど上の断崖絶壁に建っていますが、この川の流れのおかげでしょうか、下を見下ろしても不思議と「怖い」とは思いませんでした。

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和歌山と三重県は目の前に

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この立地にも驚かされます。この「瀞ホテル」本館の住所は、奈良県です。吊り橋が見えると思いますが、これ数年前の台風の水害で、橋が壊れたそうなんです。この橋を渡ったところにあるのが別館なんですが、これ和歌山県です。そして、本館から大きな川を挟んだ向かいにある断崖、これ三重県です。

この場所は峡谷の中でも特に景色が美しいと言われている場所なので、もしかしたら、三県が領土を主張した結果、仲良く共有するようになったのかもしれません。だとしたら素敵な関係です。

ホテルがカフェとして復活

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およそ100年前、1917年に建てられた当初は筏師(いかだし)の休憩所として使われていたそう。昭和に入りホテルとして営業を始めたとか。当時は、多くのホテルが周りにあり観光業が盛んだったそう。しかし、戦後、交通の便が良くなったこともあり、宿泊する人は少なくなり、ホテルや旅館は激減。このホテルも例外ではなく、廃業したそう。

その廃業から10年。祖父母との思い出のあるこのホテルをカフェレストランとして復活させたのが、4代目の東さん。現在は食事と喫茶だけだけれど、いつかはホテル営業も考えているとか。多彩な観光資源を抱えるこのエリアでのオーベルジュとなれば、今以上に賑わうこと間違いないはず。予約ができなくなる前に、ぜひぜひ一度訪れてみてください。

名物はマフィンと和歌山県産みかんジュース

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ランチの軽食メニューの数はまだ少なく、早い時間に売り切れになるそう。生地にたまねぎを練り込んだマフィンのプレートと、ハヤシライス。どちらも1000円前後とお手頃価格が嬉しい。ドリンクにはコーヒーや紅茶のほか、和歌山県産のみかんジュースも人気。甘さ控えめのさっぱりした味わいが特徴。

瀞峡の観光のついでに、建造物としても珍しい「瀞ホテル」でゆったりとくつろいでみてください。

ショップデータ
瀞(どろ)ホテル
圧倒的な自然美を感じる度 ★★★★★
■住所:奈良県吉野郡十津川村大字神下田戸405
■電話:07466-9-0003
■営業時間:11:30-売り切れ次第終了
■Close:水曜・木曜日
■HP:http://dorohotel.jp/

“Text:Taico,Photo:中川 直幸”



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