フェルマーの定理、モナリザの微笑み、徳川埋蔵金、世の中には偉人たちが残した数々の謎が存在します。謎を解けば莫大な富が得られたり、名声を手にいれることができたり、それまでの生活が一変することもあります。それゆえ謎にロマンを感じ、すべてをかけて挑み人生を狂わせる人もいます。このイベントではロマンに満ちた文学界の謎にみんなで挑もう、というイベントです。
数学、芸術、科学、様々な分野に謎がありますが、文学の世界には物語を通して、作者が意図的に謎を仕掛ける場合があります。「リドルストーリー」と呼ばれる物語がそれです。
世界で一番有名な「リドルストーリー」は「女か虎か?」を紹介
世界で一番有名な「リドルストーリー」が「女か虎か?」という物語です。話はこうです。
ある国の貧しい男が姫様と恋に落ちます。それを知った国王は激怒し男に罰を与えます。その罰の与え方がこの物語のキモです。
処刑には2つの扉が用意されます。一方の扉の向こう側には「飢えた虎」が、もう一方の扉のの向こう側には「王宮で一番美しいであろう美女」がいます。虎の扉を開けば男は食われて死ぬでしょう、美女の扉を開けば、男は姫ではなく美女との結婚が成立します。
処刑方法を知った姫は、男の命を助けるためにどちらの扉に美女がいるかを調べました。
あとはどの扉の奥に美女がいるかを男に知らせるだけです。
ですがプライドの高い姫様はこう考えます。「美女の扉を教えると愛しい男が美女と結婚してしまう…」
男の処刑当日、姫様は右の扉を指さします。男以外に気づいた人はいません。男は迷うことなく右側の扉を開きました。ここで話は終わります。扉から出てきたのはどっちだったのか。
この物語が世に出た時、物議を醸したようで作者を呼びつけてなんとか真相を聞き出そうとした人たちもいたらしいです。あまりにも騒がれたため、作者は答えとなるような物語を書きます。「三日月刀の促進士」という物語です。ですが、これもリドルストーリーになっており、結局真相はわかりません。
結局明確な答えはわからないままです。
当時もいくつもの結末とその根拠が提示されました。その中でも、これが真相だろうというものが生まれています。
このイベントでは、当時の人を熱狂させたような、リドルストーリーの名作を用意します。
課題図書は、当日イベントで発表します。観察力と粘り強さで結末を導き出せる、リドルストーリーの初級編を用意しておりますので、推理力や謎解きに興味のある方はぜひ参加してください。
「女か虎か?」発表当時の熱狂を体感してもらえればと存じます。
場所:コワーキング∞ラボ 京創舎
京都府京都市下京区葛籠屋町519
時間:14時から15時
14時から20分ほど課題図書を読んで頂きます。
14時20分から謎解きスタートです。
料金:無料(このイベントは京創舎の「ひと箱古本市」内で行うイベントです。「ひと箱古本市」にはドリンク飲み放題とお菓子食べ放題(数には限りあり)の金額として入場時に100円必要※小学生以下無料)
Text,Photo:中川 直幸