京都の「伏見稲荷」、愛知の「豊川稲荷」と並び日本三大稲荷神社と言われる「千代保稲荷」。地元では「おちょぼさん」の愛称で親しまれ、年間二百万人を超える参拝者が訪れる。特に毎月、月末から月初にかけて行われる「月並祭」には、県内だけではなく、愛知県や滋賀県など隣接する県から足を運ぶ商売人も多い。縁日は月末の夜から翌日の明け方まで続くが、この日は門前町のお店のほとんどが明け方までオープンし、お祭りを楽しんでいる。
観光客よりも地元の人が多い縁日

「おちょぼさん」の愛称で地元から親しまれる「千代保稲荷神社(ちよぼいなりじんじゃ)」
商売繁盛、縁結び、合格祈願などにご利益があるとされ、商人から人気を集める「千代保稲荷」。「伏見稲荷」や「豊川稲荷」ほどの規模はないけれど、月末月初だけは、参拝者の数が大きく跳ね上がる。また公共の交通機関も少ないため、外国人観光客の数も少なく、訪れているのは日本人がほとんど。
ちょっと変わった参拝方法
境内にはお守りや御朱印がなく、お参りの仕方もちょっと変わっている。まず、ろうそくと油揚げを購入。燈明場で願いを込めてろうそくに火を灯す。その後本殿の清霊殿でお賽銭と一緒に油揚げをお供えして、願いを伝える。これはしない人も多いけれど、本殿横にある「重軽石」で願い事が叶うかどうかを占えるそう。占いの方法はいたって簡単。両手で石を持ち上げて元の場所に置く。「願い事が叶うなら、軽くなっていてください(または、重くなっていてください)」と念じ再度持ち上げる。その通りになっていたら本殿での願い事は叶うという。重たい石なので、子どもが占うのは禁止されている。
周囲には景気の良さそうな店が

店内はもちろんお手洗いまで金色の「串かつ 玉家」
また神社の近くには、屋台や門前町の店が約110ほどあり、串カツ、土手煮、川魚料理や草餅、漬物などが食べられる。中でもひときわ目を引くのが「串かつ 玉家」。何が目を引くって、店内が金色でピカピカ光っている。店内だけでなく、お手洗いまで金色というこだわりは、景気や縁起をかつぐ参拝者が多いこの神社では特に人気が高い。18時前に訪れたけれど、すでに入店規制が始まっていた。
ここでは串かつもいいけれど、とりあえず土手煮を。濃厚な味噌スープでじっくり煮込まれたモツは美味。1本90円というお手軽価格も嬉しい限り。串かつ屋だけに、ソースや味噌という濃い味付けが多く食後は口の中がこってり。さっぱりさせたい場合は薄味のうどんを注文しよう。

玉家の「肉うどん450円」
近隣には、ナマズの蒲焼きなどが食べられる店もあるので、遊びに来た際は一度全て見て回ってから選んでみて。
千代保稲荷 月並祭
毎月月末の夕方から翌日夜明け頃まで開催
住所:岐阜県海津市平田町三郷1980
駐車場:有料
串かつ 玉家
住所:岐阜県海津市平田町三郷1997
Tel:0584-66-2294
営業時間:9:00~17:00※月末、年末年始は早朝まで営業
Close:不定休
“Text,Photo:中川 直幸”