正式名称「龍谷山 本願寺」。浄土真宗本願寺派の本山で、近くにある真言宗の「東本願寺」と区別するため、「西本願寺」と言われている。宗祖は「他力本願」で有名な親鸞聖人。その教えは、阿弥陀如来の力により、念仏を唱える、信心深い人生を歩んだ後は、だれもが浄土で仏になれるというもの。2016年10月1日から行われている「伝灯奉告法要」に合わせたライトアップイベントは、その教えを体現したような、念仏を唱えなくても、だれでも極楽浄土を体験できるようなイベントになっていた。
これぞお寺のライトアップ、極楽浄土で輪廻転生
ふわふわして、雲の上で、なんの苦もなく、なにもしなくても楽しく暮らせる、極楽浄土をそんな風にイメージしていないだろうか。文字から見てもそう。土は清められ、極めて楽しい。実はそのイメージはほぼほぼ合っていて、要約すると「苦がなく、幸福に満ちている」のだという。だとしたら、どうしても行ってみたい。だけれども、実際には極楽浄土に行けた人はいないそう。
親鸞聖人は「阿弥陀如来の力によって、行くのは簡単に行ける。しかし、本当に信心深い者しか行けない場所なので、そこにまだ人はいない」と言っている。
そう、やっぱり簡単には行けないようだ。しかし、10月1日から10日の期間にはだれでも極楽浄土を体感できるのだとか。大谷光淳(こうじゅん)門主が、2014年6月に就任したことを内外に披露する「伝灯奉告法要」に伴い、国宝の「阿弥陀堂」「御影堂」「飛雲閣」をライトアップするイベントを開催。
ここでは仏教経典の仏説阿弥陀経に書かれた極楽浄土を表しているとか。お寺で体験するライトアップの中でも、ただ映し出すのではなく、極楽という仏教に関連深い内容だったので、その世界観に圧倒される。光と音の演出で体験できる極楽浄土をぜひ、期間内に楽しんでもらいたい。
この期間は一般の駐車はできないので、公共交通機関か、車の場合は近隣の有料駐車場を利用して。さらに、混乱を防ぐために、受付は西本願寺から道路一本北側の聞法会館裏で行われている。大人500円、小中高生300円が必要。これは「たすけあい運動募金」として。チケットをもらったら、北側から入場して。境内は三脚禁止なので、カメラ好きの人は気をつけよう。また金閣、銀閣に並ぶ京都の三閣として有名な「飛雲閣」は撮影不可。しっかりと目に焼き付けて。
その他写真
西本願寺
極楽浄度 ★★★★★
■期間:ライトアップ期間2016年10月1日〜10月10日まで
■時間:18:30-21:30
■住所:京都市下京区堀川通花屋町下ル
■駐車場:この期間はなし。
■HP:http://www.hongwanji.or.jp/
■料金:大人500円、小中高生300円(募金として)
“Text:Taico,Photo:中川 直幸”