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『アトリエにちか』福田さんのセレクトの楽しみ方-アトリエにちか 福田 景子さん

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京都市左京区にあるブローチ専門店『アトリエにちか』。2015年のオープン以来、オーナーの福田さんがセレクトする「かわいい」作品を求めて、多くのゲストが足を運ぶように。小さな店舗スペースには、全国から集めた手作りブローチを中心に、自身が製作したコサージュやヨーロッパで買い付けたビンテージのブローチが並べられている。文字に起こすとバラバラなセレクトのように思えるけれど、個性を活かすように並べられた、作品からは、統一感とそれぞれをつなぐゆるやかな基準のようなものが感じられる。今回はそんな「かわいい」を集める福田さんの、セレクトや製作時の基準となるものを聞いてみた。

世界観の表現が完成されている作家さんの作品が好き

店舗は府立植物園のそばにある、アトリエと住居が一緒になった建物。 入り組んだ路地の中に隠れ家のようにひっそりと佇む。全国の作家から仕入れた手作りの作品が並ぶので、店舗というよりはギャラリーといった雰囲気。手作りにこだわるのは、福田さんがOL時代から考えていた仕事観と関係があるそう。

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「着物の仕事をしていた時に感じていたことなんですが、デザインを考える人、絵を描く人、色を染める人、と行程と作業する人がいくつもある場合は、最初に想定していたものと違ったものが出来上がってしまうこともあり難しさを感じてたんですね。それは、想像以上のものができた、と感じる時とそうではないこともあって悔しく感じる時もありました…」

「でも、作家さんは全行程をひとりでする人が多くて、完成されているんですね。自分の世界観が。それに感動してしまうんです」

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「世界観が完成されているものって、入荷した時にすぐに売れなくても、しばらくすると売れていっちゃうんです。作家さんの作品には、そういう流行に左右されない強さを感じるんです。」

セレクトする時に気をつけているのは、物語を感じるかどうか

実際に手作り市で見た作品や、ネットで見つけた作品など、気になった作品を見つけたら、とにかく作家に連絡を取り、交渉するという福田さん。数多くある作品の中から、ピンとくるものには共通点があるそう。

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「基本的にはアンティークのような個性や味わいのあるものが好きなんですね(笑) いくつもそういう作品を作ってらっしゃる作家さんはおられるのですが、選ぶ際にはその作品から物語を感じるかどうか、を基準にしてます。この羊も作家さんの意図とは違うかもしれないのですが、牧場から飛び出してきたような感じがするし(笑) 作品に奥行きが感じられるものを扱いたいなと考えています」

「これはもう、自分の感覚でしかなくて、他の人が見たら別の作品に物語を感じると思うんですね。でも、それが個性なのかなと、思ってますね。同じような価値観を持った人から見ると、魅力的に見えるんですね。遠いところだと、横浜から来た女の子もおられました。嬉しいですけど、めちゃくちゃ驚きましたね」

物語的な作品選びのルーツは幼少期の遊びに

福田さんと小さい頃の話をしていると、幼少期にしていた遊びの中に、物語的な作品を選ぶようになったきっかけのようなものが見られた。

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「「赤毛のアン」がめちゃくちゃ好きだったんですよ。「アン」てシリーズがすごく多いんです。「アンの娘リラ」まであるんですけど(笑)私、全巻持っていました。実家が四国の田舎だったので、和なんですよね家が。それで、洋間とかに憧れていたんです。ヨーロッパのアンティークとかが好きなのはそれが影響しているかもしれないですね」

「小さい頃の遊びでいうと、絵を描いても「この鳥は夫婦で、餌を捕る為に飛んでいて」みたいなことを考えていました。大人にすごい驚かれたことがあって。母親の職場によく行ってたんですが、そこで絵を描いたら、そこのおばちゃんに、なぜか絵をコピーされて。で、この鳥はなに?とか聞かれたから、覚えてないですけど、この鳥はこうだよ、みたいな物語をつけて話したら、「この子は物語が作れてる!」て驚かれて。その時は適当に言ってたと思うんですけどね(笑)」

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大学ではフォトショップなどを使っておらず、デザインらしいことはしていなかったという福田さん。就職先の会社でデザイン系の職に就きフォトショップなどを覚えなくてはならなくなり、デザイナーとしてのキャリアがスタート。小さい頃から何か描いたり作ったりすることが好きだったこともあり、実践重視の職場では技術の上達も早かったとか。アトリエショップにしたのは、自分でなにか表現する楽しさを知っていて、好きな作家の作品に囲まれるだけではなく、自分の作品も展示したいからだとか。現在はブローチ中心だけれど、他のアイテムの制作も考えているそう。

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福田さんの作品

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また、年明けには出産をされるとのことで、WEBショップの営業は続けるものの、店舗での営業は年内いっぱいを予定。それからしばらくの間は営業を休止するそう。オープンしているのが、金曜と土曜だけということもあり、物語を感じるかわいい作品に出会えるのもあとわずか。近くに遊びに行った際は、ぜひお店に遊びに行ってみて。

※営業予定はブログをチェックして。
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京都のブローチ専門店 アトリエにちか 店主:福田 景子
住所、連絡先はHPを参照
Close:日曜-木曜(金曜・土曜日営業※第四土曜除く)営業日に関してはブログを要確認
営業時間:12:00~18:30
HP:http://atelier-nitica.com
WEBショップ:http://brooch-nitica.shop-pro.jp/
ブログ:https://niticablog.wordpress.com/

“Text,Photo:中川 直幸”







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