すっかり秋にもなり、あちらコチラで日本酒イベントも増えてきた。そんな中、今夏のうだるような暑さの真ん中で僕らに似合っていた色を思い出した。
余りに日本酒を愛するが故、と思いたい。わがままな暑さの中、友人であり整体師の遠藤さんはとんでもない企画を立ち上げ僕らを焦がした。
「日本酒×高校野球」
はい、賛否両論あると思います。
スポーツマンシップはどこに行ったんだ!
あの煌めいた目で白球を追いかける高校生を酒の肴にするなんてとんでもない野郎どもだ!そんな声が聞こえてきそうだ。
ところが、これがとても奥が深い。
決勝に残った都道府県のお酒を飲みながら決勝を見る。中には、日本酒を製造していない都道府県もいくつかあるらしく、選ばれなければどうするんだと戦々恐々となる。願わくば北陸勢に頑張ってほしい!
東北の酒を飲ませろ!
九州だったら焼酎に変えてくれ!など個々の思いも反映されて違った次元でトーナメントが気になってしょうがなくなる。
一応僕も京都出身なので代表が勝つように、願ってはみた。
一回戦で負けた。
待ちに待った決勝、8月21日。その日グラウンドに立ったのは北海道代表「北海高校」と栃木代表「作新学院」。
球児たちはグローブと情熱をもってグラウンドへ。
歪んだおじさんたちは北海道と栃木の酒蔵が腕によりをかけて作った日本酒とねじ曲がった情熱をもって遠藤家のリビングへ。
その結果どうなるかというと、もうわかりますよね。
5回表ぐらいでもう試合を見ていません。
試合はどっちが勝ったのか!?
誰も気にしません。
だってお酒が美味しいんだもの。
白日の中、白球を追いかける青少年たち。
白日の中、エアコンのきいた部屋の中で日本酒をあおり続ける大人たち。
これほど正反対に位置するものは、僕の生きてきた人生の中でなかなか思いつかない。
「白日」。この言葉は照り輝く太陽、真昼、といった他に、実は、「やましいところがない」という意味もある。
こうなるとますます肩身が狭くなるのであった。
“Column:福田管”