先に断っておきますが、この記事は面白いと感じたテーマパークの紹介です。宗教や信仰、麻薬とは一切関係がありません。それを踏まえた上で窺います。「運命ってなんだ」と思ったことはありませんか。一度はあるのではないでしょうか。そんなことを考えていると「死」について考えたりするんですね。「天命」という言葉がありますが、これは天が決めた寿命のことだそうです。これに抗ってみたいと思いませんか。そんなことが可能になるような場所があったら行ってみたいと思いませんか。あるんですよ、岐阜に。
アート空間で遊ぶ「養老天命反転地」
京都市内から高速を使っておよそ2時間ほど。岐阜の養老町にある「養老天命反転地」が、まさに天命に抗うをテーマにしているアート空間。
作者は荒川修作とマドリン・ギンズ。ふたりとも芸術家で、死へ向かう人間の天命に抗うことを追求してアートとして表現してきたそう。その考えを体感できる場所として、誕生したのだとか。なので、本当に天命に抗えるわけではないです。
では、どうやってその感覚を体感するのかというと、人間の五感や本能に訴えかけるのだそう。
このテーマパークは、地面ひとつをみても、芝があったり、コンクリートだったり、土だったり、岩だったりと、その場所によって様々。水平な場所も少なく、波打つ水面のような起伏が見られます。
もちろん小さな子どもがはしゃぎすぎて、大怪我をすることもあるそうです。これは、普段の安全な生活の中で忘れてしまった、危険を感じる本能を呼び起こす試みなのだそう。
脳みそを揺さぶる仕掛けがたくさん
初めて訪れると、ここはどうなっているのだろうと、好奇心を掻き立てられること間違いなし。でも、一歩踏み外すと大怪我をするので、わくわくとドキドキが一緒になった不思議な気持ちになります。では、実際にどんなパビリオンがあるのかをご紹介。
入ってすぐにあるのが「養老天命反転地オフィス」と呼ばれる記念館。
ここはもう、一言でいうと「おしゃれ」。10代向けのファッション誌の表紙のロケで使っていてもおかしくないくらい壁のビビッドな色使いが印象的。それゆえ若い人はひたすらスマホで写真です。インスタグラム用なのでしょう。なんどもポーズを変えて楽しんでおられました。
次は「極限で似るものの家」
テーブルが壁を突き抜けていたり、ソファが埋まっていたり。昔から左京区で暮らしていた人は「ガケ書房」の外観みたいな感じのところです。屋根の形が岐阜県を模しているのだそうです。
めちゃくちゃ大きな「楕円形のフィールド」
「極限で似るものの家」を分割したというパビリオンが点在しているのが「楕円形のフィールド」だそう。それ以外にも相似形や対になったオブジェをなんども見かけます。それは知覚の混乱を引き起こす意図があるといわれているのだとか。知覚の混乱って、危険なクスリの副作用みたない説明ですが、たしかに平衡感覚が狂いそうにはなりました。
そのほかのパビリオンは実際に足を運んで確かめてみてください。非日常空間で、新しい自分に気づけるかもしれません。また子ども用のヘルメットも用意しているそうなので、小さなお子さんと一緒の場合は受付に相談を。
養老天命反転地
住所:岐阜県養老郡養老町高林1298-2
営業時間:9:00-16:30
定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)
入場料:大人750円、高校生500円、小中学生300円、コインロッカー100円
駐車場:あり※1回300円
HP:http://www.yoro-park.com/facility-map/hantenchi/index.php
“Text,Photo:中川 直幸”